4歳から18歳までの教育システムと進学のタイミング
イギリスで子育てや教育を考えておられる親御さんにとって、教育システムを理解することは非常に大事な一歩です。ここではイングランドにおける小学校から高校までの一般的な流れと基本的なコンセプトをご紹介します。
- 学年は9月に始まり7月に終わる
多くの欧米諸国と同様に、イギリスも学年は9月に開始となります。3学期制を取っており、9月から12月までをWinter Term (Christmas Term, Michaelmas Term), 1月から3月までをSpring Term (Lent Term), 4月から7月までをSummer Term等の名称で呼ばれています。4月始まりの日本と違い、夏休みが年度の切替時にあたるため、学校から出される夏休みの宿題はどのような学校でもほとんどありません。
- ハーフタームがある
ハーフタームとは各学期(ターム)の真ん中にある約1週間のお休みのことで、夏休みなどの長期休暇と同様に寮生も学校から出なければなりません。旅行に出かけたり、ゆっくりしたり、大きなテストの前には勉強を頑張ったりと、各家庭が親の都合や子供の予定に合わせてやりくりしています。
- 学校によって入学・卒業の時期が異なることがある
最も一般的と思われるのは、4歳の9月にPrimary School(小学校)のReception(レセプション)クラスに入学、Y6で卒業したのち、Y7からはSecondary School(中学・高校)にてGCSEが終わるY11まで勉強を続け、その後は同じSecondary SchoolでA levelまでいく場合や、Six Form Collegeに移動してA levelを取得、もしくは手に職をつけるための専門の道に入るなどそれぞれ分かれていきます。
一方で私立の男子校に関してはY8までPrep Schoolと呼ばれる小学校に相当する学校に在籍し、Senior schoolはY9からの5年間というのが多くあり、時期が異なるので注意が必要です。
イギリス私立小中高校ガイド調べ
- 全国統一試験が2回ある
イギリス(スコットランドを除く)ではGCSE(General Certificate of Secondary Education;中等教育修了一般資格)と呼ばれる学位認定試験がY11の学年末に実施されます。これは全国統一で行われる試験で通っている学校に関わらず各教科の習得度を公平に評価するもので、大学受験や就職活動などにも影響する非常に大事なテストとなっています。私立では同じようなiGCSE(International GCSE)を受験させるところもありますが、学校によりけりです。
同様に全国規模で行われるA level (Advanced level)はY13の学年末に実施され、GCSEに比べより専門的な内容になるため科目を絞って学習していきます。大学入学のためにはコース指定の科目で一定のレベル以上を習得することが求められており、認定試験と同時に大学受験も兼ねています。
- 進路の選択を早くから迫られる
大学に進学する場合、各コースが求めているA levelの科目で一定以上の判定を取ることが必須になりますが、通常A levelは勉強量と時間のバランスから3-4科目に絞り込むことが多くなります。50を超える教科の中から大学受験で必要になる科目を選択するのはGCSEを勉強中のY11になるため、15歳から16歳の間に進路について具体的な方向性を絞り込んでいくことになります。理系、文系の選択は日本でも行いますがさらに細分化された科目の選択をしていくため、早い時期から将来について考える必要に迫られていると言えるでしょう。